国立病院機構新潟病院附属看護学校(以下、看護学校)を今春卒業し、新人看護師として新潟県厚生農業協同組合連合会 柏崎総合医療センター(以下、柏崎総合医療センター)で働く冨土原さん、小田嶋さん、中村さん。
数ある就職先の中でどうして柏崎総合医療センターを選んだの? 看護学生と社会人の違いは? など、リアルボイスを聞いてみました(取材:2021年5月)。
interviewees profile
冨士原 結(ふじはら ゆい)さん 写真左
五泉市出身・柏崎市在住。産婦人科、整形外科病棟。
古田嶋 愛(こだじま あい)さん 写真中央
田上町出身・柏崎市在住。消化器内科、血液内科病棟。
中村 優希(なかむら ゆき)さん 写真右
柏崎市出身・在住。整形外科病棟。
■3人の勤務先、柏崎総合医療センターってどんな病院?
柏崎市北半田に立地する市内最大の診療科・病床数をもつ基幹病院。
柏崎・刈羽地域の救急医療も担う。
参考:柏崎総合医療センターHP
■3人が学んだ、独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校ってどんな学校?
柏崎市赤坂町に立地する3年制の附属看護学校。
看護師国家試験合格率は、2019年度卒業生100%、2020年度卒業生97%。
就職率は、2019年度卒業生100%、2020年度卒業生100%。
■進路選択~看護学校時代
自分を支えてくれた看護師さんに憧れて
―看護師を目指そうと思ったきっかけは?
冨士原:もともと人と関わること・人に何かをしてあげることが好きなんです。人と関わる職業がたくさんある中で、医療現場は大変な時期であるし、自分が少しでも力になれたらと思い、高校生の時に看護師を目指しました。
古田嶋:母が介護職で、小学生の時に施設や老人ホームに行って、母の働く姿を見ました。家にいるときの母と違い、周りから頼られている姿を見て、私も専門知識をもって働きたいと思ったんです。初めは助産師になりたくて看護学校に入学しましたが、実習をしていく中で看護師という職業を目指すようになりました。
中村:母が看護師で、身近な人が体調を崩した時、頼りにされている姿を見てかっこいいな、と思ったのがきっかけです。それと、小学生の時に柏崎総合医療センターに入院したことがあって、手術前の不安な姿を見た看護師さんが明るく話しかけてくださったのと、手術後、車いすの生活から自分で歩けるようになったとき、ずっと看護師さんが支えてくださって、かっこいいなと感じました。その時から看護師になりたいと思い、高校も医療系の分野に進みました。
―皆さんの出身地は?
冨士原:五泉市です。
古田嶋:田上町です。
中村:柏崎市です。
―中村さんは、なぜ地元の看護学校を選んだの?
中村:市外の学校も考えましたが市外の学校に行ったとしても、柏崎で働きたいと思っていました。実家の近くに学校もあるし、親に勧められて地元の看護学校にしました。
―冨士原さん、古田嶋さんは寮生活をしていた?
冨士原:はい。寮生活は、普通のアパートみたいな感じでした。友達も近くにいて安心です。1人暮らしだと、身のまわりのことを自分でしなければならないので、その分、時間が削られますが、朝少し早く起きて工夫をしていました。
古田嶋:車を持っていたので、アパート住まいでした。
―看護学生時代に得たものは?
冨士原:コミュニケーション能力です。
古田嶋:新潟病院は難病を抱えている患者さんが多く、コミュニケーションの手段として電子機器を使うことがありました。患者さんの意思をどうやってくみ取るのかを、学生時代に考えることができたので、今に役立っています。
■社会人1年目ー新人看護師として
自分にできることが増えてきて楽しい
―就職先として、柏崎総合医療センターを選んだ理由は?
中村:いろいろな診療科があることと、手術をして退院される方のサポートをしたいという気持ちがあったためです。
古田嶋:実習でお世話になったからです。
―実習で惹かれた部分があった?
古田嶋:医療ソーシャルワーカー(*)など、多職種の方と連携し患者さんを支援しているところに、自分自身も成長できるという魅力を感じました。
(*)医療ソーシャルワーカー:
患者や家族に対し、社会福祉の立場から必要な情報提供を行ったり援助を行ったりする専門職。
冨士原:私は周産期(*)に興味があって、市内で唯一お産ができる柏崎総合医療センターで、勉強していきたいなと思いました。
*周産期:
妊娠後期(妊娠22週以降)から新生児早期(生後7日未満)までの期間。
―市の看護師就職助成金(*)の申請をされたと思うが、この制度はいつ知った?
冨士原:看護学校3年生の時です。
(*)看護師就職助成金:
市内の病院などで働き始める看護師を応援するため、就職助成金を最大で30万円交付。
―看護師として働き始めて約1カ月。現在の心境は?
冨士原:慣れないことが多いです。それでも自分にできることが増えてきて、徐々に楽しくなってきたところもあります。同期や優しい先輩方にたくさん頼って頑張っていきたいと思います。
古田嶋:最近、3人の患者さんを受け持つことができました。任せてもらえることが多くなり、うれしいです。行動のひとつひとつに責任を感じています。
中村:実際に現場で働くと学生で習得した知識は必要最低限で、勉強不足だなと感じて、家で復習をしています。
―コロナ禍でも、看護学生の実習を通常通り行っていると伺った。
金泉看護部長: ほとんど実習ができない学校がある中、看護学校も受け入れる側の当院も対策と工夫をして、多く経験を積んでもらいたいという思いがあります。
―夜勤は経験した?
古田嶋:5月下旬から夜勤研修が始まります。
金泉看護部長:夜勤に入る前にしっかり寝てから出勤する人、夜勤が終わってから寝る人、いろんなパターンがあります。周りの人がどういうふうに休んでいるのか聞いて、試しながら、自分の体調管理方法を見つけられればいいですね。
■柏崎での生活のお話
柏崎の人は優しくて気さく
―柏崎の魅力はなんですか。
冨士原:ごはんがおいしい! 海が近くて海鮮がおいしいなって思います。
古田嶋:柏崎市は何でもあるし、便利。優しくて気さくな人も多いと思います。生活する上で、不便だなと思うことはありません。
中村:自然が多いところです。入院している方は市内の方が多く、皆さんあったかいです。
―柏崎のお勧めスポットや休日の過ごし方は?
中村:新しくできたカフェやパン屋さんがお勧めです。定食屋さんもおいしいですね。
休日は、市内の友達と家で遊びます。
■看護師を志す方へのメッセージ
「ありがとう」の言葉がやりがい
―看護師の魅力・やりがいとは?
冨士原:患者さんやご家族に感謝されると看護師になってよかった、もっと頑張ろう、と自分のやる気につながるところが魅力です。
大変なことや不安なこともあるし、患者さんの命を預かる責任もあるけれど、回復の過程を見ることで、やりがいを感じます。
古田嶋:いろいろな経験と知識が得られます。所属の診療科が変われば学び続けられる、自分が知らないことにいっぱい出会えて、達成感ややりがいが生まれます。
中村:寝返りも打てないくらい痛がっていた患者さんが手術後、歩行器で歩けるようになりました。回復過程が見られることと、直接「ありがとう」と感謝の言葉を伝えてもらったときに、やりがいを感じます。
―看護師を志す方にアドバイス、メッセージを
冨士原:人と関わることが好きで、人に何かしてあげたいと思う方にお勧めです。
古田嶋:感染症対策の知識や治療の知識を持てば、その分自分にできることが増え、人のためになる仕事です。
中村:私は、勉強ができる方じゃないし、コミュニケーションもうまく取れる方じゃないので、このまま看護師を目指していいのかなと思うことがたくさんありました。
でも、患者さんと接していくうちに、自然とコミュニケーションが取れるようになったので、自分にできるかなと不安な気持ちを持っている人でも看護師を目指してほしいと思います。
Comentarios